本書の著者は、シリコンバレーのテクノロジー起業家、バイオハッカー。
ここ5年ほど、「ブレットプルーフ・ラジオ」というポッドキャストであらゆる分野の著名人のインタビューを続けているといいます。
不健康な習慣や有害な影響を寄せつけない「ブレットプルーフ(防弾能力)」という思いがタイトルに込められているのだそうです。
一流の専門家の話を聞くというのは、「あらゆる手段で自分をアップグレードしたい」というお僕の個人的な願いから始まった。その探求開始から19年を数えたいま、それに要した費用は数百万ドルを下らないだろう。
世界中をかけめぐり、新進の状態をよりよくするたえに使えるシンプルで効果的な方法を、まるで脅迫観念に取り憑かれたように探したという。
特別な能力や知識をもつ、あらゆる人に助言を求めたといいます。例えば以下の方々。
・型破りな科学者
・ワールドクラスのアスリート
・生化学者
・革新的な医師
・シャーマン(呪術師)
・オリンピックの栄養士
・瞑想の達人
・アメリカの海軍特殊部隊
・自己啓発の指導者など
そしてその結果、著者の人生は変わり何十年も悩まされていた心身の不調から解放されたというのです。
本書はテクニックやツールの基礎にある重要な考えを抽出して「究極の42のハック」として紹介。
その各々に「やるべきこと」として、身につけたい習慣や実行するとよいプラクティスが挙げられています。
42のハックは、「もっと賢く」「もっと強く」「もっと幸せに」の3つの大きなカテゴリーに分類されており、自分の限界を超え、パフォーマンスを最大限に高め、人生を楽しむためのもの。
紹介されているテーマも多岐にわたります。
今回は「第7章 運動 「間違いだらけの運動」をいますぐやめよ」の中から「HACK21 「筋肉」を鍛えれば、賢くなって若返って幸せになる」に焦点を当ててみたいと思います。
■有酸素運動ではダメ?
ここで登場するチャールズ・ポリンキンはこの分野の草分け的存在として活躍している実力者だといいます。
世界的に名高いストレングス&コンディショニングの指導者でありコーチであり、17種ものスポーツで世界最高レベルのアスリートを助け、数百ものメダルと勝利と自己ベストを達成させてきた。
そのチャールズは、筋肉に送られるシグナルが身体をどのように変えるかを調べてきたそう。
そのチャールズの到達した結論はこちら。
①長距離の有酸素運動より筋力トレーニングの方が脳の健康と総体的なパフォーマンスに良い
②長距離の有酸素運動は脳の加齢を速める
①長距離の有酸素運動より筋力トレーニングの方が脳の健康と総体的なパフォーマンスに良い
有酸素運動は体によさそうなイメージがありますがそうではないといいます。
有酸素運動ではなく、筋力トレーニングをするべきだ、と。
2013年に研究結果もでているそう。
パーキンソン病の患者にはどんな種類の運動が有益かを調べた研究結果。
以下の3つのトレーニングを行い、どれが一番効果が出たのか。
・低強度トレッドミル運動(ウォーキング)
・高強度トレッドミル運動(ランニング)
・ストレッチとウエイト・トレーニングの組み合わせ
最高の効果が出たのは「ストレッチ×ウエイト・トレーニングの組み合わせ」。
そして驚きべきはチャールズは実験前に、有酸素運動は患者の症状を悪化させると警告しその通りの結果になってしまったといいます。
②長距離の有酸素運動は脳の加齢を速める
有酸素運動は脳の加齢を速めるといいます。
それはどういった仕組みなのでしょうか?
運動をするとコルチゾール(ストレスホルモン)値が高まる
→コルチゾール値が高まると、体内の酸化物質の量が増加
→酸化物質が、脳、心臓、消化管、その他の器官の炎症を増大させる
筋力トレーニングでも有酸素運動でもこのコルチゾール値は上昇するといいます。有酸素運動と筋力トレーニングには大きな違いがあるのです。
筋力トレーニングの場合は、有益ホルモンの放出でこのコルチゾールが相殺されるが、有酸素の場合は放出がないというのです。
さらに、有酸素運動は体内に有害なフリーラジカルというものを生成し、酸化ストレスを生み出し、身体のダメージを修復してくれる抗酸化物質を激減。
それでは有酸素運動はしない方がいいのででょうか?
解決方法はあるといいます。
それは「筋トレを加えること」。それはホルモンの関係からも間違いなく良いこと。
筋力トレーニングはさらにメリットがあるといいます。
筋肉量の減少は30歳から始まって、10年ごとに3~5%が失われていく。
これを逆転させることができるといいます。
動作トレーニングとウエイト・トレーニングを組み合わせて筋肉と神経系を刺激すると…
加齢プロセスの進行を遅らせながら、失われた筋肉を再建し、筋力を強化し、さらに炎症と酸化ストレスを減少させ、骨を強くすることができるという。
何とも割のいい話。これはやるしかないですね!
有酸素運動と筋トレを組み合わせる。
これこそが運動効果を最大限に出すことができそうです。
■まとめ
他にも紹介されているハックは非常に興味深いもの。
しかもわかりやすく、実践もそれほど難しくないものが多いです。
自分自身の生活を充実させるためにも、取り入れるべきものはたくさんあるはず。
ぜひ読んでみて、実践できるものをしてみてください!
著者のように心身のコンディションを良好なものにし、プライベートも仕事も充実させたいですね!